誤謬日記

祈れ、働け、学べ。

宗教・哲学

マルティン・ルター――ことばに生きた改革者 (岩波新書) を読んで

マルティン・ルター――ことばに生きた改革者 (岩波新書) posted with ヨメレバ 徳善 義和 岩波書店 2012-06-21 Amazonで購入 Kindleで購入 楽天ブックスで購入 ことばの真理を追い求め、聖書を読んで読みぬく。ひとりの若き修道士の飽くなき探究心が、キリス…

100分de名著 獄中からの手紙 第4回 よいものはカタツムリのように進む を見て

www.nhk.or.jp 「手作業をする」「速度をゆるめる」「祈る」……ガンディーの思想では、近代が追い求めてきた価値と正反対のものが称揚される。安価な海外製品を買うよりも、手作業で作った自国産品を作り使おうという「スワデーシー」はその代表例だ。それは…

100分de名著 獄中からの手紙 第3回 非暴力と赦し を見て

www.nhk.or.jp ガンディーにとって重要なテーマは「赦し」だった。憎悪の反復は、最終的には何も生み出さない。怒りを超えた「赦し」によってこそ、次の平和に向かって進むことができるというのだ。このようにガンディーの「非暴力」思想は、単に暴力を否定…

100分de名著 エミール 第4回 理想社会のプログラム を見て

www.nhk.or.jp いよいよ成年へと成長し、結婚、社会への貢献といった問題に直面するエミール。恋愛や外国旅行といった体験を通じて、「理想の社会とは何か」という根源的なテーマが浮かび上がってくる。そこには、ほぼ同時期に書かれた「社会契約論」のテー…

100分de名著 エミール 第3回 「あわれみ」を育て社会の基盤に! を見て

www.nhk.or.jp 16歳になり思春期を迎えたエミールはいよいよ社会の中に入っていく。その際に最も大事な要素は「あわれみ」の感情。人間が元々もっている「自己愛」を「あわれみ」の感情へと上手に育て拡大することで、貧しい人々への共感や不平等な社会への…

100分de名著 エミール 第2回 「好奇心」と「有用性」が人を育てる を見て

www.nhk.or.jp ルソーに預けられたエミールは、「快・不快」を基準に生きる幼年期から「用・不用」という基準に生きる少年期へと成長していく。ルソーはこうした発達段階を無視した従来の教育方法を徹底的に批判。常識に反して「読書」「歴史教育」「道徳教…

100分de名著 エミール 第1回 自然は教育の原点である を見て

www.nhk.or.jp 「万物をつくる者の手をはなれるときすべてはよいものであるが、人間の手にうつるとすべてが悪くなる」という言葉が示すように、徹底した自然の賞揚、人為への批判をベースにして教育論を展開した書「エミール」。人間の成長や発達をもたらす…

100分de名著 獄中からの手紙 第2回 人間は欲望に打ち勝てるのか を見て

www.nhk.or.jp ブラフマチャリヤー(自己浄化)という思想で、徹底的な禁欲主義を貫いたとされるガンディー。しかし、ガンディーは生まれながらの聖者ではない。様々な欲望にまみれ、人の何十倍もの反省を繰り返しながら、ゆっくりゆっくりと自分の思想を練…

清水富美加さんの新興宗教問題について

清水富美加さんが 突如、幸福の科学の信者であることを公表し 芸能界を引退したことについて タレントの方々がとある批判をしている。 www.hochi.co.jp ドタキャンで多くの人の信頼を裏切ることを良しとする神様は本当に信者の幸せを考えてくれているのでし…

獄中からの手紙 第1回 政治と宗教をつなぐもの を見て

www.nhk.or.jp 「歩く」「食べない」「糸紡ぎ車を回す」といった日常的行為を通して、人々の中に眠る「内発的な力」を呼びさまそうとしたガンディー。その代表的な実践が「塩の行進」だった。わずか数人の行進が数千人もの人々を巻き込むまでのうねりとなっ…

知の操縦法 を読んで

知の操縦法 posted with ヨメレバ 佐藤 優 平凡社 2016-11-25 Amazonで購入 Kindleで購入 楽天ブックスで購入 ヘイト本、安保法制、歴史問題…… 反知性主義が横行するいま、求められている知とは何か――。 情報が氾濫するインターネット社会で ブレない思考の…

野生の思考 第4回 「野生の思考」は日本に生きている を見て

www.nhk.or.jp レヴィ=ストロースは晩年、日本を訪れた。伝統の技を守り続ける職人たちや豊かな恵みが集まる市場を訪ねるなど、精力的に日本各地を巡った彼は、その豊かな文化、世界観に驚き、「野生の思考は、日本にこそ生きている」と述べた。「構造・神話…

野生の思考 第3回 神話の論理へ を見て

www.nhk.or.jp 西欧の近代科学は、自然と文化を厳しく分離し、全てを計量的に組み上げる抽象的な思考を成立させた。しかし、レヴィ=ストロースは、それが人類の長い歴史の中では極めて特殊なものだと考える。むしろ自然と文化のインターフェイス上に働く根源…

野生の思考 第2回 野生の知財と「ブリコラージュ」 を見て

www.nhk.or.jp 最初から完全な設計図を前提とするエンジニアの思考のような「近代知」。レヴィ=ストロースは、人間にとって本源的な思考は、そのような「知」ではなく、「ブリコラージュ(日曜大工)」といわれる、ありあわせの素材を使い、様々なレベルで…

野生の思考 第1回 「構造主義」の誕生 を見て

www.nhk.or.jp 長い間未熟で野蛮なものとして貶められてきた「未開社会の思考」。近代科学からすると全く非合理とみられていたこの思考をレヴィ=ストロースは、「野生の思考」と呼び復権させようとする。「野生の思考」は、非合理などではなく、科学的な思…