誤謬日記

祈れ、働け、学べ。

自分と日本との関係

 最近、愛国に対するニュースが多い。

 

・つるの剛士さんが虎ノ門ニュースに出演

・RADWIMPSの「HINOMARU」問題

・ゆずの国歌、国旗、靖国という歌詞

 

特に、どうこう言うつもりはないが

自分と日本との関係について考えてみた。 

 

振り返ってみれば

ネトウヨという言葉が流行る前、

自分は右翼的な人間だったと思う。

 

春日大社宮司の葉室頼昭さんの本を

何冊も買って読み、高千穂や伊勢神宮に行き、

近場の神社によく参拝して祈っていた。

 

鳥居に入る前はお辞儀をし

手水の作法を守り、参道の真ん中を歩かず

ニ礼二拍手一礼をする。

 

日本神話に出てくる神様の名前を覚え

古事記を読み、祝詞を覚えて

神主になろうと、いろいろ調べたこともあった。

 

天皇の無私の精神や感謝のこころ、

神秘的な気品の高さに

心を奪われていたりもした。

 

大嘗祭によって

天皇の体に天照大神の御心が乗り移り

オーラが変わるという話も聞いた。

 

でも、その熱は冷めた。

 

それは竹田恒泰さんという

旧皇族の子孫にあたる方が

隣国に対して排他的な発言をしたりして

自分が思っていた天皇に対する幻想、

天照大神からの直系という血筋の気品などが

感じられなかったのが大きいからかもしれない。

 

天照大神の血筋なのに

なぜ、こんな差別的な発言ができるのか、

そして天皇の歴史について調べると

幻想がどんどん崩れいったのである。

 

天皇の権力が絶大なものとなった大化改新。

これは蘇我入鹿の暗殺である。

 

日本は韓国に対して、

暗殺者である安重根が

国民の英雄になっているのはおかしいと言うが

そもそも天智天皇も同じだったということ。

 

そして、天皇は時の権力者に

利用される存在だったということ。

 

征夷大将軍、南北朝の分裂や明治維新、

天皇を担いで時の政府は利用しまくったのである。

 

血筋で人格や気品などが

受け継がれるわけではない。

 

帝王学を物心つく前から叩き込まれるかどうか

生まれてからの人に対する教育の違いのような気がする。

 

だからといって

天皇の権威が否定されるわけではない。

 

サピエンス全史いわく

人間はフィクションを信じることができ

ここまで文明が発達したという。

 

世界中で

神話(古事記)が信じているからこそ

天皇の権威があるのである。

 

社会学者の古市憲寿さんは

日本に天皇がいてラッキーだったと発言し

炎上したことがあるが

世界中で天皇の存在を信じてもらえてるからこそ

日本が利益をもらっている面がある。

 

しかし、

明治天皇すり替え説、大室寅之祐。

継体天皇の疑問など

疑い出せばきりがないし

これは真実なのかどうなのか知る由もない。

 

 

ここで右翼の代表者でもあるような

三島由紀夫について考えたい。

 

彼は天皇中心とした

日本の歴史、伝統、文化を守るべきだと言い

昭和天皇までも批判した。

 

2018年の日本で言えば

彼は左翼ということになるだろう。

 

いまの日本のネット界は

批判=日本が嫌い=左翼という

超短絡思考になってしまっている。

 

三島は愛国心という言葉を嫌悪した。

愛国心とは外部から押し付けられたものの可能性が高い。

教育から来たのもあるし

情報からくるものもある。

いわゆる外部からの情報によって

芽生えた考えである。

 

三島いわく大和魂という言葉で十分というが

大和魂という言葉には、

内から湧き上がる力が現れるからだと思う。

 

彼は小説家であるゆえ

大和魂という言葉で十分という発言の裏には

そういった背景を考え言ったに違いない。

 

三島由紀夫のおもしろいところは

彼が日本の右翼でありながら

外国語を喋り、ゲーテを読み、聖セバスチャンの格好をする

ということだ。

 

三島は小さいときに見た歌舞伎や能など、

日本文化に対するリスペクトがありながら

海外文化にも精通しているのである。

 

これは

中田英寿が世界中を旅したあと

日本の伝統文化に携わる仕事をするようになったのと

似ているのかもしれない。

 

自分もおこがましいが似ている部分がある。

昔はあれだけ日本神道というものに惹かれながら

いまはキリスト教、神学、聖書などを

好き好んで読むようになった。

 

だからといって

日本文化が嫌いなわけではない。

 

日本の商人道、お天道様文化、

ファッション、性に開放的であること、

子供を大切にすること、食文化、治安の良さ、

日本の良いところを上げればきりがない。

 

じゃあ自分は右翼なのかと言われれば

よくわからないというのが本音である。 

 

 

いまは右翼も左翼もおかしい。

これは日本だけでなく

アメリカや欧州でも起こっている問題である。

 

アメリカのKKK、南部のリー将軍撤去、

排外主義的な政党が躍進。

 

だが、国が滅びるまで

移民を受け入れ続けろという言うほうも

おかしい。

 

 

右翼の西部邁さんが自殺したのも

三島由紀夫と同じ理由だと思えて仕方がない。

 

日本の伝統を守ろうとする人がいないことについて 

絶望したのだと思う。

 

日本の保守が復活することもないし

日本のリベラルが真っ当な意見を言うこともない。 

 

あるのはただ、

自分の感情に身を任せた

排外主義的な考えがあるだけかもしれない。

 

宮台真司いわく感情の劣化だが

右翼とか左翼とか関係なく

愛のある良い人でいることに尽きるかもしれない。