Nスペ “樹木希林”を生きる を見て
俳優の樹木希林さんが亡くなった。75年の生涯だった。全身をがんに冒されていることを公表した後も、悲観せず、かといって気負いもなく、淡々と軽やかに女優として生きた希林さん。『私を撮ってもいいわよ』そんな希林さんから長期密着取材の許可をもらったのは、去年6月のことだった。人生の晩年をどのように生き、身終い(みじまい)しようとしているのか?そもそも“樹木希林”とは何者なのか、向き合う日々が始まった。結果的に希林さんが出演する最後のドキュメンタリーとなった今回の番組。仕事、家族との関係、そして、日々の暮らし…。密着取材を通して、希林さんはどんな思いを託そうとしたのか。
このドキュメンタリーの演出に疑問を持つ
樹木希林。
映画の撮影現場とスタッフとの何気ない会話の
日常が映し出されているだけなので
退屈に見えるかもしれない。
盛り上がりどころがないが
多くの人の人生もそんなようなものであり
ありのままが映し出されていたと思う。
最後、編集したものを
樹木希林さん自身が見ていたシーン。
この日常が映し出されているだけの番組も
悪くないと感じたに違いない。
病気を晒し出したのも
番組の盛り上がりどころと提示したが
それも含めてありのままであった。
ドキュメンタリーがおもしろくなる時は
取材対象者と取材スタッフが対立し
本音が見える部分が出るときにある。
普通の役者なら
番組がおもしろくなるかどうかは
ディレクターに任せる。
しかし、樹木希林さんの場合、
是枝裕和監督の脚本に
意見を言う女優であるがゆえ
自分のドキュメンタリーに対しても
意見を言うのは当然のことのように思える。
ツイッターのタイムラインをみると
木寺ディレクターの技術ないという意見があったが
それも含めての番組であるのである。