誤謬日記

祈れ、働け、学べ。

ヒトラーとは何か を読んで

 

 

画家になりそこなった我の強いオーストリア人青年は、いかにして人類史上類を見ない独裁者になったのか?ナチスの興亡を同時代人として体験したジャーナリストが、ヒトラーの野望の軌跡を臨場感あふれる筆致で描いた傑作評伝。独自のヒトラー解釈で話題を呼んだハイネ賞受賞の名著が、新訳でさらに読みやすく。

 

ヒトラーについて

多方面に書かれている。

 

・遍歴

・実績

・成功

・誤謬

・失敗

・犯罪

・背信

 

屈折した人間(ヒトラー)が

当時の政治状況と国際情勢によって

政治の中枢までいったことがわかる。

 

ヒトラーのすべてを否定することは危険である。

 

ナチスの経済政策により

ドイツ経済は回復したのである。

 

そのことを否定してしまうと

ナチスの本質を見誤ってしまう。

 

そもそも

ヒトラーは政治家だったのかという疑問。

 

彼自身、偉大な芸術家を自称していたので

国民を守るという政治家のあり方について

考えたこともなかったのかもしれない。

 

芸術家とは

自分のやりたいことをやり

他人についての意見を聞かない。

 

そういうアイデンティティを

持っていたような気がする。

 

だから、周りをイエスマンしか

置かなかった。

 

ドイツの戦況が危うくなれば

和平を考えるが普通だが

ヒトラーはドイツが破滅するまで突き進む。

 

ヒトラーはドイツ国民を愛していたわけではなく

自分の劣等感のために利用したという感じである。

 

ヒトラーの哲学。

「ドイツ民族が弱くなったら

 そんな民族は滅んでしまえばいい」

 

ユダヤ人を迫害し絶滅させようとしたこと、

そして戦争に負け始めたとき

ドイツ人を絶滅させようとしたこと。

 

自分にとってよくない民族は

絶滅してもいいという考えを持った人間が

政治の中枢にいる怖さを知る。

 

ヒトラーが生まれた原因、

ワイマール共和国と周りの国々の頼りなさ。

 

政治家が頼りないことは

自国について不利益を講じるだけでなく、

周りの国も被害を被るということ。

  

ヒトラーは

自国ファーストではなく

自分ファーストである。

 

彼は決してドイツ国民のためを思って

政治家になったわけではないことが

何回も繰り返して書かれている。

 

政治家になってはいけない人物は

存在するのではないかと思えてくる。