神様の思し召し を見て
今日も完璧なオペで、患者の命を救った心臓外科医のトンマーゾ。医師としては天才だが、傲慢で毒舌で周りからはケムたがられていた。ボランティアが趣味の妻との仲は倦怠気味で、お気楽な長女はサエない男と結婚。でも、頭脳明晰な長男が医学の道を継いでくれれば満足だ。 ところが、あろうことか医大生の息子が「神父になりたい」と宣言! 表向きはモノわかりのいいフリをして教会に潜入したトンマーゾは、息子がハデなパフォーマンスで人気のピエトロ神父に“洗脳”されているとニラむ。さらに、神父が実は“前科者”であることが判明。トンマーゾは、失業して無一文で妻からはDVを受け、もうどん底だと悩む信者を演じて神父に近づく。すると、親身になった神父に家族に会いに行くと言われてしまい、追い詰めるはずが追い詰められるトンマーゾ。果たして、神父の正体は? 崩壊寸前の家族の行方は?
医者の息子が神学校を目指し
父親である医者と神父が息子の進路めぐって
バトルが繰り広げられる。
定番のストーリーとして
父親が息子の神学の道に納得し
父親自身も信仰心の厚い人物になるという
ものだと思っていた。
アメリカの福音派の作品だったら
そうなっていたと思うが
しかし、ヨーロッパの作品は違う。
ヨーロッパは
キリスト教の本場みたいなところがあるが
今は下火であり
キリスト教の神秘主義に対して
ドライであるように思えた。
結局、息子は
神父には向いてないと自ら断念し
神父もなんのためらいもなく受け入れる。
医者と神父、
どっちが人を救うのか。
それは医者である。
最後、神父が交通事故に会うが
助かるのかどうかは映画の中で描かれていない。
ただ、神父の手術室の前には
信者たちがたくさんいたのである。
人から慕われている神父も
人を救っていたのだということを示している。