岡田斗司夫の映画評論
岡田斗司夫の人間性は別として
世界トップクラスの映画評論家だと思っている。
火垂るの墓は
戦争反対映画ではなく、
子供達が健気に生きようとする映画でもなく
地縛霊の物語であるという、新しい視点。
斜に構えてみれば
清太が亡くなったのは
人に頼ることができず
コミュニケーション能力の低さを
表していると見ることもできるが、それも違う。
有料動画でも
話していたので詳しいことは書けないが
ダンテの神曲、煉獄の知識や
江戸時代の心中の知識。
1秒も満たない
映画の動きから物語を読み取っていく。
さらに
高畑監督の著作や
ジブリ鈴木さんのインタビュー。
映画のロケハン写真から考察していく映画評論は
お金を出せるレベルであり
ここまでくると、映画監督よりも
作品について深く考えているのではないかと思えてくる。
東京大学卒の高畑勲、
学習院大学卒の宮崎駿。
高学歴=教養があるとは
一概に言えないが
教養あるジブリ監督の作品だからこそ
深く考える価値があるのかもしれない。
岡田斗司夫の映画評論がすごいのは
彼自身が映画プロデューサーの経験が影響している。
映画を見るのが大好きな人が
映画評論をやっていても
一つ抜けていない感じがする。
やっぱり作り手の経験がないと
映像の見方が浅くなる。
アニメと実写映画、
アニメのほうが監督が好きなように表現できる。
アニメは動きが一つ一つ手作業であるため
意味のない動きは何もない。
実写映画だと役者の何気ない動きに
対して意味をもってしまう。