奇跡の丘 を見て
無神論者であるパゾリーニが「マタイによる福音書」に基づいてキリストの生涯を映画化。 元のテキストの簡潔な文体をそのままに、キリストや使徒たちの心理描写は排して、事象を淡々と綴っていく。 撮影は南イタリアで行われたが、ドラマの背景となるスペクタクルな景観は、まるで太古にタイムスリップしてロケーションしたかと思わせるリアリティで圧巻。 キリストを演じたエンリケ・イラソキほか出演者は全て職業的な俳優ではなく、年老いたマリア役としてパゾリーニの母スザンナも登場。 第25回ヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞ほか、数々の賞に輝く傑作。
マタイによる福音書を
そのまま映像で表現した内容。
新約聖書に書かれていない
無駄な会話は一切ない。
なので
ヨセフと聖母マリアの会話はない。
喜ばしい場面、悲しい場面では
役者の顔の表情や
BGMで演出されている。
イエスの説教の話し方の抑揚や
弟子たちの表情などで
心理描写が読み取れるので
上記の紹介文は正しくない。
白黒映像のせいかもしれないが
風景が当時のエルサレムっぽい感じがする。
イエスの奇跡の場面は
CG加工ではなくカット割りである。
皮膚病を治すところや
水の上を歩く場面は
チープな感じを
受けてしまうのは仕方がない。