誤謬日記

祈れ、働け、学べ。

嫉妬と自己愛 - 「負の感情」を制した者だけが生き残れる (中公新書ラクレ)  を呼んで 

 

 

 組織への不適応、ストーカー犯罪、自傷行為、引きこもり……。とくに若者に多く見られる問題行動は、自己愛の肥大あるいは欠如が原因であることが多い。かつては、他者との比較によって沸き起こる劣等感や嫉妬心がそうした行動の大きな要因だったが、時代は変わりつつあるのである。  自己愛のコントロールの失敗は、対人関係の困難さとなって現れ、学校や会社など実社会の中で、本人はもちろん、周囲も大きな不利を被ることとなる。では、どうすれば、このような「負の感情」を制御することができるのか。また、不安定な感情を抱えた“困った人たち“にはどう対応すればいいのか。 本書では、文学作品の中に見られる「嫉妬と自己愛」を読み解いたうえで、精神科医やストーカー対策の専門家などとの対話を試み、さらに講義形式で著者の知見を披露する。外務省の裏も表も知り尽くした実務家かつ、歴史や宗教、文学に通暁する作家として、「負の感情」に打ち克つ方法を、実践的なかたちで伝授する。

 

佐藤優さんいわく

鈴木宗男さんは嫉妬心が稀薄だという。

 

心当たりがある。

 

某動画で

会場にいた人ほとんどが

鈴木宗男さんではなく

佐藤優に質問しているのである。

 

普通の人間なら

なんであいつばっかり聞くんだ。

俺にも聞きたいことがあるだろと

嫉妬してしまう。

 

しかし、

当の鈴木宗男さんは

佐藤優さんの話をニコニコ聞いている。

 

これが

嫉妬心が稀薄といわれる所以かと思った。

 

 

自分は嫉妬心が強い方である。

バカなんじゃないかってくらい

嫉妬という感情が出てくる。

 

そのぶん、

嫉妬との付き合い方には

慣れている方だと思う。

 

嫉妬していると

人からは見られたくないため

態度には絶対に出さない。

 

嫉妬を感じたとき 

自分は他の人たちと

タイプが違う、属性が違うと

思うようにする。

 

そして、

いま僕は嫉妬をしているなと

客観視すること。

 

それで乱れることはない。

 

嫉妬という感情とうまく付き合うために

それを無理やりモチベにするのが

いいのではないかと思った。

 

ただ、パワハラをされた場合、

自分はいまパワハラをされているなと

感じて血の気が引いたことがある。

 

これは、なかなか感情が収まらなかった。

あの人はいまパワハラをしているな

と思えば客観的になれると思われるが

実際、その立場になってみないとわからない。

 

 

この本では

嫉妬がテーマの小説を紹介している。

 

どれもおもしろそうであったが

気になったのは村田さんの小説は

コンビニ人間である。

  

 

コンビニで働く人の

心情を描いていて、興味が出てきた。

 

コンビニの店員さんのことを

見下している人が多いのかなとは思っていた。

 

自分は見下しているわけではないが

なぜコンビニという仕事を選んだのかなと

思うことがある。

特に若者に対してである。

 

もっと他に仕事があるのに

なぜ、あえてその仕事を選んだのかと

気になってくる。

 

別に職業差別をしているわけではない。

ただ、人がなぜその仕事を選択したのか

興味があるだけである。

 

 

閉じた世界、

外部から切り離された世界では

歪んだ嫉妬の感情が蔓延しているという。

 

政治家、官僚、一流企業など

独特のルールがあるところでは

嫉妬という感情で

物事が動く場合があるらしい。

 

ただ、嫉妬心だけで

法治国家である日本という場所で

逮捕までできるのかという

疑問がある。

 

著者の佐藤優さんが

なぜ逮捕されたのか。

 

軽く調べて見たら

外務省の支援団体から

もらっていたお金で

海外の学者を呼んでいたから

逮捕されたと理解した。

 

そして、そのお金を使うことについて

上司の了承を得ていたので

国策捜査だったという主張である。

 

 

書籍の編集者たちも

嫉妬心がすごいという。

 

自分が関わった本が一番だという意識。

でもそれは物を作る人なら

そういう気持ちを持つことは大切である。

 

しかし、このところ異変が起きているらしい。

若い編集者である。

 

彼らは本を読まない。

つまり、本が好きで本の編集者の仕事を

選んだわけではなく

人からすごいと言われたいがための

職業選択である。 

 

佐藤優の本を担当すると

難しくて逃げ出す若手がいるという。

本が好きなら

食らいついていくということなのだろうか。

 

これはテレビ制作者と似てる。

彼らは本当にテレビを見ていない。

子どもの時の好きな番組を聞いても

テレビ見てないですという。

 

現在はもっと複雑な状況である。

テレビ制作の仕事が

恥ずかしい仕事だという

意識が出始めている。

 

自分はそうであった。

番組制作のADをやっていたとき

胸を張って言える仕事ではなかった。

 

番組名を言っても

知らねーわそんな番組と平然と

言われるからである。

 

ただ、ショックがあるかといえば違って、

そうだよなーと思う。

 

テレビってそんなもんだよなと思って、

まさに小説のコンビニ人間のような

状態である。

 

 

この本の肝は

イエス・キリストの言葉である。

「隣人を自分のように愛しなさい」という教え。

 

だからまず自分を健全に愛さないといけない。

健全に愛するとは

具体的にどういうことなのか。

 

自己愛を制御するための5か条という

項目に書いてある。 

 

「隣人を自分のように愛しなさい」

自分独自の解釈だと

自分も他者も神であり

イエス・キリストだという意味だと思っている。