誤謬日記

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私の息子はテロリストになった を見て

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ごく普通のイギリス人家庭に育ちながらイスラム過激派組織に加わり、テロリストとして壮絶な死を遂げた息子。いったい、なぜ・・・。自らを責め、問い続ける母親の苦悩。  ある日突然姿を消した長男のトーマスは、ソマリアでアルカイダ系の組織に加わっていた。ジハーディストとなった上に、10代の少女と結婚したという。母・サリーは何とか我が子をとり戻そうと支援団体を頼るが、洗脳された彼を説得するのは容易ではない。息子が去ってから4年後に彼女が見たのは、テロ活動中に殺された息子の映像だった。英国アカデミー賞テレビ部門最優秀ドキュメンタリー受賞作品。

 

テロリスト集団、アッシャバーブに入った

イギリス人のトーマス・エバンス。

 

母親のサリーは

特定の宗教を信じていなかった。

 

トーマスは

19歳のときイスラム教徒になった。

エジプトに行くと言っていたが

ソマリアに行っていて

アッシャバーブの組織に加わっていた。

 

サリーとトーマスのつながりは 

たまにトーマスからかかってくる電話だけ。

  

アルカイダ系のアッシャバーブ。

ケニアのショッピングモールでテロがおき

不謹慎だが、トーマスが関わってないので

安心したという。 

 

ソマリアに行く前のトーマスは

憧れていた電気技術者になって

一定の収入を得た生活をしていた。

 

サリーは

過激派思想から若者を救う活動をしている

慈善団体に助けを求める。

 

トーマスを帰国するための戦略をたてる。

トーマスからかかってくる

電話で母親がどう説得するかが鍵となる。

 

トーマスは

英語もわからない 

10代前半のスーダという女性と

牛を一頭をあげて結婚したという。

 

サリーは

これが彼らの文化と言われても

受け入れられない。

 

ある日、

妻のスーダから電話がかかってきた。

 

かけた理由は

トーマスがどこかに行ってしまい、

お金が足りなくなってきたから。

 

トーマスが外に行っている間は

お金がもらえない。

 

サリーはお金を送ることはできないと言う。

お金を送ってしまうと

テロ支援者となってしまう。

 

 

優雅な暮らしを送っていた

トーマスの家族たちだったが

ある日、父親が家を出た。

海外に別の家族を作っていたのであった。

 

トーマスは非行に走り

弟マイケルとも離れていく。

 

ある日、 

イスラム教徒になれば

みんな家族だと言われる。

 

あるモスクに行き

過激思想になっていった。

 

そのモスクは名は

イスラム教徒教育センター。

 

自爆テロを行なった人が

通っていたところである。

 

イスラム過激思想から

解放させる活動をしている

ジャーヴィス氏。

 

まずは

勧誘された経緯を知ること。

 

両親が離婚したこと。

 

トーマスが彼女と別れたショックで

問題のモスクに行ったこと。

そして、イスラム教徒になり

ヒゲを生やし仕事を解雇されたこと。

 

解雇され別の仕事を見つけた。

モスクで知り合った人に

紹介された仕事である。

仕事を失ったことで彼らの絆が強まった。

 

トーマスは

人から影響を受けやすい若者だった。

 

アッシャバーブは

ケニアでの活動を激化していき

大学を襲撃する。

 

サリーは

トーマスが関わってないか心配であった。

 

アッシャバーブを知れば知るほど

なぜあんな組織に行ったのか

理解できない。

 

トーマスが死んだら

誰も傷つけないので

楽になると思うこともある。

 

弟マイケルは

トーマスは死んだ者と思っているが

母親サリーはそうは思えない。

 

 

死んだアッシャバーブの戦闘員の

写真がSNSに投稿された。

その写真にトーマスが

痩せて寝転がっている写真を見た。

 

トーマスがなくなる前日の映像。

なにが起きるかわからないから

みんなで別れの挨拶をしている。

 

彼らは

死んだらアラーの元に行けるから

何も恐れていない。

 

2015年6月14日。

アッシャバーブの戦闘員は

ケニア軍のキャンプを襲撃しようとしていた。

そこに、トーマスも参加していた。

 

ケニア軍はアッシャーバーブが

襲撃することを知っていた。

 

トーマスは狙撃兵に打たれ亡くなった。

 

サリーは

スーダのことが心配で

電話をかけた。

「夫のトーマスは

 殉教者として死んだので誇りで嬉しい。

 天国に行ったので

 悲しむべきではない」と言われた。

 

 

ジャーヴィス氏は

サリーにある情報を伝えた。

 

ある村が

アッシャバーブの襲撃によって90人が殺された。

トーマスは殺害にも参加し、撮影もしていた。

 

 

サリーは

過激主義と戦う団体の会議で講演した。

 

トーマスが

なぜ過激派組織に入ったのかという

自問をやめた。

ただ、過激派組織は

若者を破壊するだけでなく

家族や友人も破壊していくということ。

 

今までに

1000人を超えるイギリス人の若者が

イスラム過激派に入って

60名が亡くなっている。

 

 

感想

過激派組織に入る若者は

貧困家庭であり、友達もおらず

仕事もない人であるという

価値観があった。 

 

今回のトーマスは

両親が離婚したことがあるかもしれないが

貧困家庭という感じはしなかったし

非行といえども友達がいて、仕事もあった。

 

彼女に振られ

イスラムのモスクに行き

ヒゲの風貌から仕事を解雇になった。

 

そこで、

新しい仕事を紹介した過激派組織の人が

きっかけでアッシャーバーブに入ることになる。

 

両親の離婚と

彼女に振られること

ヒゲの風貌から仕事をクビになったこと。

 

そういった

きっかけの積み重ねで

過激派思想に染まっていく。 

 

ただ、

両親の離婚と

彼女に振られることなど

経験している人はごまんといる。

 

そういった

不遇の時代のときに

手を差し伸べる団体が

過激派組織の人だったのが

問題だと思う。

 

さらに、

人から影響されやすい

性格というのも原因があるかもしれない。

 

不満に手を差し伸べる団体、

人から影響されやすい性格。

 

これは

オウム真理教やカルト宗教と

同じ構造である。

 

彼らは

一流大学の学生や

大企業の社員でもあった。

そして、友達もいないわけでも、

貧困家庭でもない。

 

きっかけは

ほんと小さなものである。

 

上祐史浩氏は

麻原彰晃の空中浮遊の写真を見たから。

 

他の人も

書籍を読んで、昭和天皇が崩御したから、

腰痛だったから、興味本位で

ヨガ道場を覗いたからなど

ほんの些細なきっかけなのである。

 

そういったカルト宗教は

教祖がいなくなっても存続する。

 

麻原彰晃は逮捕されたし

文鮮明は亡くなった。

 

問題なのは

そこで教祖を神格化してしまうことである。

 

こういったことを考えると

イスラム過激派組織の

根絶はできないのではないかと思う。

 

ただ、入会していく人の数を

減らすことはできるかもしれない。