プロテスタンティズム - 宗教改革から現代政治まで (中公新書) を読んで
2017年でルターの宗教改革から500周年を迎えた。カトリックとの長きにわたる戦争などを経たプロテスタンティズムは、新大陸アメリカへと広まっていった。そして、その過程でさまざまな思想を内包し、現代の政治などにも強い影響を及ぼしている。本書は、ナショナリズム、保守主義、リベラリズムなど多面的な顔を持つプロテスタンティズムの実像を歴史的背景とともに解説し、その内実を明らかにするものである。
マルティン・ルターは
プロテスタントというものを
作ろうとしたのではなく、
あくまでもカトリックを
リフォームをしたかった。
宗派を分けようなんて
考えもしていなかったが
ルター死後、
プロテスタントは
さまざまに分かれていく。
それは
プロテスタントは聖書の言葉を
よりどころにするので
聖書の解釈によって
考え方の違いが出てくる。
この本の中では主に2つに分けている。
・古プロテスタンティズム
・新プロテスタンティズム
<古プロテスタンティズム>
どの宗派になるかは
家族や住んでいる地域によって
強制的に選択される。
教会と国家の結びつきが強い、
カトリックと同じシステムである。
保守のプロテスタンティズムと
考えられ
マルティン・ルターという存在が
ドイツの伝統やアイデンティティに
なっていること。
<新プロテスタンティズム>
ルター派やカルヴァン派などとは違い、
自ら信じたい宗教を信じること。
現在、アメリカの
キリスト教がそれに当たる。
この宗教は国家から
生活が保証されているわけではないので
自ら積極的に伝道活動をしないといけない。
プロテスタントとは
そもそも反抗する者たちという意味であり
それは時代が変わっても変わらない。
マルティン・ルターとは
プロテスタントの聖者という
イメージがあったが
のちにルターを批判する宗派も出てくる。
改革と呼ばれていたものが
時間が経つにつれ伝統となり、
アイデンティティになっていく。
日本の伝統でいえば
皇室である。
女性宮家を創設し関し
伝統ではないという意見が
出てくるが
500年も経てば
それが日本の伝統になるかもしれない。